マスコミ被害とエンパワメント

 

 

「OHANAさんに相談に来る被害当事者の方で、

顔出しで取材OKの当事者さんっていますか?」

 

先日、市内で開催した勉強会の時に、

プレスリリースを各報道機関に送ったのがきっかけで、

ある報道局からOHANAの活動についての取材がしたいという事で、

取材を受けに行きました。

 

性犯罪被害はネタじゃない

 

しかしながら、待っていた記者の方から、

ほぼ、開口一番で出た言葉が冒頭に書いた言葉でした。

被害から約4年という月日が流れましたが、

この4年、私が「死にたい」と思わなかった日は一度もありません。

そして自分を責めなかった日もありません。

被害当事者の方の相談を受けながら、

私の受けてきた苦痛を何とか回避してほしくて、

死にたいと思う自分の気持ちと命を

被害当事者さんたちの為に使おうと覚悟を決めて、

できる限り当事者さん達に寄り添う支援をしてきました。

私は支援をしているのであって、

ネタを作るために活動をしている訳ではないのです。

そして、今でも誰にも打ち明けられず、

傷だらけの心と身体を抱えて、

たった一人で耐えている当事者さんに、

あなたは決して一人ではなく、

私達がいるという事を知ってほしいという思いが届けば良いという思いで、

今回の取材を受けたのですが、

この言葉はあまりにもお粗末なのではないでしょうか?

 

「表面化しにくい問題だからこそ、

実際の映像として形にしたい。」

 

こんなとってつけた様な理由を誰が信用するんですか?

 

では例えば、顔出しして取材を受けたとして、

それで何かの問題が起きた時に、

マスコミの人達は責任が取れるのかといえば、

それはしてはくれないでしょう。

あなた達マスコミが欲しいのはセンセーショナルな「題材」であって、

性犯罪被害の本質的な問題を知り、

社会を少しでも変えていこうなんて全くもってして思っていないはず。

 

私は性犯罪被害当事者ではありますが、

馬鹿ではないです。

そして、弱虫でもないです。

だからこそ、あなたのその心無い言動が許せないと思っています。

 

性犯罪被害者支援という活動を通して出会った

たくさんの当事者の方や支援者の方、

また、関係機関の人達がその邪さ(よこしまさ)を

見抜く術を教えてくれたのです。

社会から性犯罪や性暴力、そして性虐待がなくなる事を願っている人達は、

そんな事、絶対に言わないからです。

性犯罪に限らず、様々な被害にあった人達は、

自分たちに一切の過失はないという事をたくさんの事例を調べ、

専門家と同じぐらいに「犯罪」についての勉強をしてください。

 

性犯罪の現実をしっかり見てください。

性犯罪、性暴力の被害当事者の方でも、

様々なケースがあります。

また、同様に様々な環境や問題があります。

そういう当事者一人一人の話を聞かずして、

訓練や勉強をしていない人が、

いきなり相談室に現れたら、間違いなくフラッシュバックを起こします。

しかも、中には顔出しOKの方にコンタクトを取ってほしいというのは、

人間性を疑います。

今年、女性の新聞記者の方が顔を出さず、

それでもセクハラの事実を発信したときの事を考えれば、

今日、取材した記者の方も、もっと何か言葉を選べらのでは?

と悔しさと絶望しか残りませんでした。

もとより、私は支援する側ですから、

被害当事者を守る義務があります。

その最後の砦である私の相談者の顔出し取材を申し出るという事は、

OHANAを信頼してきてくれた当事者を

マスコミにネタを売れという風にしか私にはきこえませんでした。

そして、何よりも記者の方の言った言葉は、

二次被害そのものであるのです。

 

破壊的言葉

 

私は今日、取材が終了した後、

久しぶりに涙がでました。

 

「私がもっと強かったら、顔出しできるのに。」

「私が強くないせいで、誰も救えなかったな。」

「私には本当はできる事なんかないんじゃないか。」

 

そんな考えが頭の中から離れないでいます。

 

そして、そういった心無い言葉が、

今日まで私を支えてくれた人、団体、支援者の

善良な優しさを無駄にしてしまうのです。

まさにそれは、取り戻そうとしていた自尊心を「破壊」する事です。

 

報道の自由と言論の自由

 

報道には「報道の自由」があります。

でも、私達にだって、「言論の自由」があります。

なので、今約4年ぶりに自傷をし、

忌まわしい記憶をカラダの中から出しながら、

今回の記事にしました。

 

 

 

 

 

 

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